確定申告が初めての方は「確定申告で帳簿は提出するのか？」「還付金とは何か？」「申告期限を過ぎた場合はどうすればよいのか？」といった疑問を抱くことでしょう。確定申告はややこしい部分が多いですし、どうすればいいのかと戸惑うことが多いかと思います。
本記事では、確定申告をするにあたって知っておいていただきたい基礎知識をまとめました。確定申告が初めての方はまずこれを読んで基礎を身に着けていただければと思います。
確定申告の基礎知識
記帳は義務
青色申告でも白色申告でも記帳をしなければなりません。以前は白色申告の恩恵として記帳が免除されていましたが、2014年（平成26年）1月から記帳が義務となりました。
記帳方法は簡易簿記と複式簿記があります。白色申告の場合は簡易簿記と記帳してください。
青色申告は65万円控除か10万円控除のいずれを選択するかで記帳方法が変わります。
65万円控除を受けるには複式簿記で記帳しなければなりません。10万円控除であれば簡易簿記で大丈夫です。
記帳方法は「青色申告承認申請書」に選択する項目があります。65万円控除か10万円控除かは自由に決めていいだけではなく、事前に申請した記帳方法に沿って行わなければなりません。
帳簿は提出不要
基本的に確定申告の際に帳簿を提出する必要はありません。記帳は義務ですが、帳簿は提出せずに保管しておくだけで大丈夫です。
ただし、確定申告書類に不備があったり申告漏れや過少申告の疑いがあったりすると、税務署から帳簿の提出を求められることがあります。きちんと申告していればそのような事態は起こりませんが、万が一提出を求められてもいいように整理しておきましょう。
帳簿・領収書の保存期間
帳簿や領収書は一定期間、保存しておく必要があります。保存期間は以下の通りです。
法定帳簿（収入金額や必要経費を記載した帳簿）：7年
任意帳簿（業務に関して作成した上記以外の帳簿）：5年
決算に関して作成した棚卸表その他の書類：5年
業務に関して作成し、又は受領した請求書、納品書、送り状、領収書などの書類：5年
還付金について
払いすぎた税金があれば還付金として返ってきます。しかし、確定申告をすれば必ず還付金が返ってくるわけではありません。
たとえば毎月報酬が源泉徴収されていて、確定申告で経費を差し引いて控除を適用した結果、徴収されている額が多かった場合は還付金が支払われます。
源泉徴収は所得税を前納する仕組みですが、徴収時は経費と控除は考慮されていないため、確定申告をすると還付金が返ってくる場合があるのです。
逆に源泉徴収されていない報酬が多い、または源泉徴収がない場合は、追加で所得税を支払わなければならないかもしれません。
確定申告の時期
確定申告は毎年2月中旬〜3月中旬にかけて行います。初日と最終日が土日と重なると日付が前後しますが、例年2月16〜3月15日であることが多いです。申告の最終日は3月15日と考えておいてください。
確定申告の最終日は申告者で混み合うため、早めに申告を済ませておきましょう。
確定申告を忘れた場合
うっかりしていて確定申告期限を過ぎてから申告していないことに気づいた場合、早めに申告をしに行きましょう。
申告期限から1ヶ月以内に自主申告をすれば無申告加算税は課されません。無申告期間が1ヶ月を超えた場合、遅れるほど延滞税が高くなるので注意しましょう。
無申告加算税の免除は「自主的」に申告忘れを申請した場合で、税務署から指摘された場合はこのケースに当てはまりません。税務調査が入って故意の隠蔽と判断されると脱税となるため、もし期限を過ぎてしまった場合でも自主的に、かつ早めに申告をするようにしましょう。
確定申告も慣れが必要
はじめての確定申告は勝手がわからずに戸惑うことが多いかと思います。開業初年度は事業の方でも忙しい上に確定申告もしなければならないので大変です。
確定申告も言わば慣れが必要で、一度経験すれば次年度からはあるていどはスムーズに準備ができるようになるでしょう。税務署では確定申告の相談も実施しているので、分からないことがあれば相談に行ってみてはどうでしょう。
おわりに
納税は国民の義務ですので知らなかったでは済まされませんし、脱税行為をしてもバレるので絶対に不正はしてはいけません。知識がないがために脱税とみなされることも考えられるので、最低でも確定申告の基本知識は押さえておきましょう。
