フランチャイズという言葉は知っているけれど、具体的にどのようなシステムで運営されているのかよく知らないという方は案外多いのではないでしょうか?身近な例で言えばコンビニはフランチャイズで運営されていますが、店長はオーナーなのか雇われているのかなど、その仕組みはいまいち分からないですよね。
本記事では、フランチャイズの知識ゼロでも分かるように易しく解説します。最後までお読みいただけば、フランチャイズの基本が理解できることでしょう。
フランチャイズとは?
フランチャイズはケンタッキーフライドチキンの創始者であるカーネル・サンダースが始めたビジネスモデルと言われています。カーネル・サンダースはフライドチキンのレシピを提供する代わりに、1羽につき5セントを受け取るというフランチャイズの元となるビジネスを始めました。
レシピ提供の対価に売上の一部を受け取るというのがフランチャイズの原型であり、今も続いている大元となるシステムです。レシピだけでなく、ビジネスのノウハウや商号、開業後のサポートといった内容がフランチャイズのパッケージに含まれます。
フランチャイズの本部と加盟店の関係
フランチャイズでは、本部(フランチャイザー)と、加盟店・加盟者(フランチャイジー)の契約によって成り立ちます。
本部はビジネスのノウハウや商号を提供する側です。加盟者は売上金の一部をロイヤリティという対価を支払ってそれらを受け取ります。
ここで疑問となるのは、加盟者はオーナーであるのか、それとも雇われているのか?ということです。
フランチャイズでは雇用契約を交わすのではなく、対等なビジネスのパートナーとして契約をします。加盟者は個人事業主なので、お店のオーナーなのです。
ただ、ブランドイメージを統一するために本部の意向やコンセプトに従う必要があるので、完全な自営業というわけではありません。加盟者の裁量で判断できる部分も多いですが、加盟者は本部のブランドを背負うオーナーということになります。
フランチャイズに加盟するメリットは何か?
フランチャイズに加盟する大きなメリットは、本部の持つビジネスのノウハウや商号を利用できるという点です。本来ならばノウハウは社外秘ですが、加盟店になることで提供してもらえます。
その対価であるロイヤリティについては後ほど詳しく解説しますが、フランチャイズでは売上の一部を支払う契約を交わし、加盟者はノウハウや商号を受け取るのです。
カーネル・サンダースが始めたフライドチキンのレシピを提供するビジネスは、フランチャイズの仕組みそのものと言って過言ではありません。そのレシピはカーネル・サンダースが苦労して開発したものであり、それを一から自分で作り出すのは時間も労力もかかります。
言わばフランチャイズはロイヤリティを支払うことにより、貴重なレシピでありノウハウを知ることができるのです。しかも成功事例のあるノウハウであるため、自分で一からビジネスを始めるよりも成功する可能性が高くなります。
また、仕入れや流通の面でもフランチャイズに加盟するメリットは大きいです。フランチャイズは大量仕入れで単価を安くできますし、個人では契約が難しい仕入先も持っているので、そこは個人商店が敵わない部分と言えるでしょう。
たとえば、セブン−イレブンは特定の地域に集中して出店するドミナント戦略を採用し、流通を効率化しています。集中出店することで配送効率が上がり、その地域におけるブランドの知名度も高まるという寸法です。
ロイヤリティとは何か?
フランチャイズにおけるロイヤリティは、特許権、商標権などを使用する代わりに支払う「対価」という意味です。本部が持つビジネスのノウハウや商号を、ロイヤリティという対価を支払うことで提供してもらいます。
本部にとっては社外秘のノウハウをただで公開するわけにはいかないので、対価としてロイヤリティがあるのです。加盟者にとってロイヤリティは負担になりますが、それに見合った価値のあるノウハウや商号であれば支払うメリットは十分にあるでしょう。
ノウハウや商号がロイヤリティを支払うだけの価値があるか、また開業後に十分なサポートを受けられるかが本部を選ぶ上で非常に重要になります。ロイヤリティの額はフランチャイズに異なりますし、ロイヤリティが発生しないフランチャイズもあるので、本部を比較してみてください。
フランチャイズは身近なビジネス
フランチャイズはコンビニ、ファミリーレストラン、居酒屋など、多くの業種で採用されている仕組みです。チェーン展開しているお店はフランチャイズシステムによって成り立っています。
上述したように加盟者は個人事業主として本部と契約するため、雇用されているわけではありません。そこがフランチャイズを理解する上で重要になります。
フランチャイズは身近なビジネスでありますが、このようにその仕組みをちゃんと理解されている方は少ないです。それほど複雑な仕組みでもないですし、知ってしまえばなぜ普及しているのか納得がいくのではないでしょうか。
おわりに
フランチャイズの基本的な仕組みを解説しましたが、お分かりいただけたでしょうか?普段よく行くコンビニも居酒屋のチェーン店も、実はこのような仕組みで成り立っているのです。
フランチャイズに興味を持たれた方は、どんな業種があるのかぜひチェックしてみてください。