早期退職をすべきかどうかは非常に悩むところだと思います。早期退職後は生活費のことが一番大きな心配になるので、特にお金のことはよく考えておかなければなりません。
本記事は退職後の人生計画をテーマにした内容となっていますので、早期退職を検討している方は参考にしていただければと思います。
早期退職するか定年退職するかという大きな選択
早期退職と定年退職ではその後の人生計画が大きく違ってきます。独立開業を目指すのであれば早期退職をする十分な理由になりますし、そうでないのであれば定年まで勤め上げたほうが生活費の面で安心です。
早期退職するか定年退職するかは人生の大きな選択で、この判断を間違えるとその後の人生計画が大幅にずれてしまいかねません。早期退職をするのであれば、どのような人生の選択肢があるのかをよく考えてからにしましょう。
早期退職を決める前に考えておくべき退職後の人生計画
早期優遇退職を利用すべきか
早期優遇退職は、早期退職を受け入れることで退職金の割増などが行われる制度です。会社は人件費を抑えるためにこの制度を設けていて、会社によっては随時募集しています。
ひとつ考えておきたいのは、退職後の失業保険の給付です。業績悪化に伴って臨時で早期優遇退職を募り、それに応じた場合は「会社都合の退職」となるため給付制限を受けません。
この場合、退職して7日の待期期間を減ればすぐに失業保険の給付を受けられるということになります。
しかし、早期優遇退職の希望者を随時募集しており、自らそれを希望した場合は「自己都合の退職」となるため、3ヶ月の給付制限期間を経なければなりません。退職金があるなら失業保険の受給を急ぐことはないかもしれませんが、退職後に開業するのであれば早く受給しておきたいですよね。
たった3ヶ月は長い人生からみれば短い期間ですが、退職前に考えておきたいところです。
年金受給開始までに1年でいくら生活費が必要か
年金は原則的に65歳から受給開始となります。繰り上げ支給を利用すれば60歳から受給できますが、減額されるデメリットも考えておかなければなりません。
もし退職後に年金の繰り上げ支給を利用しないのであれば、生活費は貯金から全額捻出することになるでしょう。60歳で早期退職した場合、65歳の受給開始まで5年もあるので、1年でいくら生活費が必要かを計算しておく必要があります。
仮に夫婦二人の生活費が月に20万円かかるとすれば、1年で240万円、5年だと1,200万円もかかる計算になるので、いかに年金受給の恩恵が大きいかがお分かりいただけるでしょう。住宅ローンがまだ残っているなら、もっと負担は大きくなります。
再就職するという選択肢
65歳の年金支給開始まで貯金だけでは生活費が心もとないのであれば、再就職を考えたほうがよいかもしれません。
ただ50歳や60歳を超えてからの再就職は厳しい場合がありますし、意欲が沸かない方も多いかと思います。給料も希望を下回ることもあるので、それも覚悟しておいたほうがよいでしょう。
早期退職をするなら、再就職先のこともセットで考えておく必要があります。もちろん貯蓄に余裕があるなら無理に再就職する必要はありません。
現在は人手不足に悩んでいる業界が多いので、そうした業界を選んで再就職活動をするのもひとつの手段です。
独立開業するという選択肢
早期退職後に独立開業される方も少なくありません。独立開業するために早期退職をされる方も多いです。
65歳を過ぎてからの開業は体力的にも金銭的にも不安が大きいと思いますが、早期退職して独立開業するのであればできる仕事の幅も広がります。65歳以上で開業して成功されている方もいらっしゃるので、年齢はあくまでもひとつの基準です。
これまで従事していた職種や業種の経験を活かして開業する以外に、フランチャイズで未経験の業種にチャレンジするという選択肢もあります。フランチャイズに加盟すれば本部からノウハウの提供やサポートを受けられるため、未経験の業種であっても開業は可能です。
また、低資金で開業できるフランチャイズも多いので、退職後に多く資金を投じるのが不安な方はコストを抑えて開業できる本部を探してみることをおすすめします。退職金を全額投じてもし思うように収益が得られないと老後の資金が足りなくなってしまう恐れがあるので、決して無理はしないでください。
リストラの可能性も考えておく
早期退職を考えていなくても、リストラの憂き目に遭うかもしれません。今は終身雇用の保証がない時代ですので、大手企業であってもリストラされる可能性はあります。
もしリストラされたとしたら選択肢としては再就職か開業するかになるわけですが、資金がないと開業は難しいかもしれません。低資金で開業できるフランチャイズもあるので可能性はなくはないですが、開業してすぐに収益が得られるわけでもないので資金は多めに用意しておく必要があります。
再就職するにしても開業するにしても、次の収入が得られるようになるまでの生活費の蓄えは必要です。退職後の人生計画で行き詰まってしまわないように、万が一の備えて生活費を用意しておきましょう。
おわりに
早期退職は人生の大きな決断です。再就職するか独立開業を目指すかによって人生計画は変わってくるので、退職前に生活費のことをよく考えておく必要があります。
なんとかなるだろうと甘く考えるのではなく、しっかりと計画した上で退職後にどのような人生を送るのかを考えてみてください。