代理店と販売店の違いをご存知でしょうか?同じものと考えている方も多いかと思いますが、代理店と販売店は全く別のものです。
本記事では、イマイチ知られていない代理店と販売店の違いについて解説します。代理店や販売店の契約を結ぶ際は、契約の違いを正しく理解しておいてください。
代理店とは?
代理店(代理店契約)は、売主(メーカー)の代理として商品を宣伝・販売活動を行う契約です。代理店は売主と顧客の仲介役と言える立場で、販売活動によって生じる責任は売主に帰属します。
重要なのは代理店では顧客と直接販売・契約をせず、売主が顧客と販売・契約を交わす点です。代理店はあくまでも売主の代理であるため、売主が売買契約の当事者となります。
代理店における契約の流れは以下のようになります。
売主
↓(代理委任)
代理店
売主
↓(販売・契約)
顧客
代理店の収益は商品販売による売上ではなく、売主から受け取る手数料です。営業活動の実績に応じて手数料が支払われます。
販売店とは?
販売店は、自らが売買契約の当事者なって商品を売買する形態です。売主(メーカー)から購入した商品を顧客へ販売します。
販売店における契約の流れは以下のようになります。
売主
↓(販売・契約)
販売店
↓(再販売・契約)
顧客
売主から顧客へは販売を行わず、販売店が買い取った商品を顧客に再販売するのが販売店の売買の流れです。販売店では顧客に販売した商品の売上が利益になります。
代理店と販売店の違い
代理店と販売店の明確な違いは、取引形態にあります。代理店では売主から顧客へ販売・契約が行われますが、販売店では売主と顧客への直接販売・契約は行われません。
代理店は売主の代理として営業活動を行うだけなので、利益は売主からの手数料で得るというのも大きな違いです。販売店では顧客から受け取った販売代金がそのまま利益になります。
【代理店の利益】
顧客
↓(売買代金)
売主
売主
↓(手数料)
代理店
販売店の場合、売主から商品を購入する代金が発生するため、実際の利益は顧客への販売代から売主から買い取った代金を差し引いたものとなります。
【販売店の利益】
販売店
↓(買取代金)
売主
顧客
↓(販売代金)
販売店
代理店と販売店のメリットの違い
では、代理店と販売店ではそれぞれどのようなメリットがあるのでしょうか?
代理店契約の場合、商品の在庫を抱えずに済むというメリットがあります。販売店と違って売主から商品を買い取って販売するわけではないため、在庫赤字に陥るリスクがありません。
商品に対する責任も売主が追うため、その点でもリスクが低いと言えるでしょう。その代わり利益は売主から支払われる手数料であるため、販売力や営業力がないと代理店業だけで生計を立てるのは難しくなります。
一方、販売店は売主から買い取った商品を転売した際の売上が利益となるため、代理店よりも一商品あたりの売上が大きいです。売り切ってしまえば代理店より多くの利益を得られるでしょう。
販売店のデメリットは、商品が売れ残ると負債になるリスクがある点です。在庫を一層するため販売価格を値下げして売るとそれだけ利益が減ってしまうため、在庫赤字にならないようにコントロールしなければなりません。
フランチャイズ契約との違いは?
フランチャイズ契約は、代理店契約や販売店契約と何が違うのでしょうか?
まず前提としてフランチャイズでは、本部と加盟者がビジネスパートナーとして対等な契約を結ぶ点にあります。加盟者は本部から雇用されているわけではなく、いち事業主として契約を結び、本部は加盟者に対してサポートを行うというのが契約形態です。
フランチャイズでは本部から事業のノウハウを提供してもらい、開業後は経営のサポートをしてもらえます。その代わり、加盟店は売上金の一部をロイヤリティとして本部に支払うのがフランチャイズの契約形態です。
ロイヤリティが発生するという点は代理店や販売店と大きく違っています。ロイヤリティゼロのフランチャイズもありますが、基本的にロイヤリティがあると考えておきましょう。
フランチャイズでは本部から事業のノウハウを提供してもらえるので、未経験でも開業しやすいというメリットがあります。代理店や販売店で売上を立てようと思ったら販売や営業のノウハウが必要となりますが、経験がなかったり未経験の業種であったりするとなかなか難しいでしょう。
未経験の業種で開業するのであれば、フランチャイズが最も成功しやすいと言えます。
おわりに
代理店と販売店では取引形態が異なりますし、フランチャイズもまた形態が異なります。どの形態で開業するのがよいかはメリットとデメリットを比較した上で判断したほうがよいでしょう。
フランチャイズはさまざまな業種で展開していますので、未経験だけどやってみたい業種がある方はフランチャイズでの開業を検討してみてはいかがでしょう。