開業するにあたり、事務所を借りるべきか自宅兼事務所として開業するべきか悩んでいる方は多いことでしょう。必ずしも事務所を構える必要がないのであれば、自宅兼事務所で開業することも考えたいところです。
本記事では、自宅兼事務所にするメリットと注意点を解説します。良いところだけでなく、注意すべき点にも着目して、どちらが自分に合った開業方法なのかをじっくり考えてみてください。
事務所を借りるか?自宅を事務所にするか?
店舗を持たない業種の場合、事務所を借りる以外に自宅を事務所にするという選択肢をとれます。いわゆる自宅兼事務所です。
事務所を借りるか、それとも自宅を事務所にするかは非常に悩むところで、どちらを選ぶかで開業費用や営業の仕方が変わってきます。
自宅兼事務所のメリット
開業費用を節約できる
事務所を借りるには敷金・保証金、改装費、オフィス家具費など諸々の費用がかかります。いわゆる初期費用となるわけですが、初期投資額が多くなるほど回収までに時間がかかりますし、赤字に陥った時にリスクが伴うためできるだけ費用は抑えたいところです。
自宅兼事務所であれば事務所にかかる費用を節約できるので、開業費用をかなり抑えられます。オフィス家具くらいは必要になるでしょうけれど、物件にかかる費用を節約できるのはかなり大きいです。
賃料を節約できる(ランニングコストを抑えられる)
事務所を借りると毎月の賃料が経費として重くのしかかります。黒字の時はよいのですが、赤字の時は事務所の賃料を支払うのがかなりきつくなるでしょう。
自宅兼事務所であれば事業用に別途賃料を支払う必要がないため、事務所を借りるよりもランニングコストを抑えられます。賃料の負担がないのは精神的にも楽です。
たとえば、借りようとしている事務所の賃料が15万円だとすれば、自宅兼事務所にすることで15万円まるまる節約できます。
それに自宅兼事務所であれば事業で使用した分は経費にできるので一石二鳥です。全額を経費にはできないので、事業の占有スペースで按分して一部を経費として計上してください。
家事や育児、介護と両立しやすい
自宅兼事務所であれば在宅で仕事をできるため、家事や育児、介護と両立しやすいです。小さいお子さんがいらっしゃるのであれば、子供を保育園に送り迎えする時間を自由に調整できますし、在宅で仕事をしながら子供の面倒をみることもでいます。
介護にしても同じで、在宅で仕事をしたほうが柔軟に対応できるのでご家族はとても助かるでしょう。緊急時にも対応できるので自分にとっても安心です。
少子高齢化が進むにつれ、自宅兼事務所で仕事をする事業者が増えることでしょう。
自宅兼事務所の注意点
仕事とプライベートのメリハリをつける
自宅で仕事をしていると、プライベートとの区別がつきにくくダラダラしてしまいがちです。意志の問題もあるのですが、プライベートと仕事のスペースが一緒だと切り替えが難しいですし、集中しにくいので仕事が進みにくいという弊害があります。
仕事とプライベートの区別をつけるには、仕事のスペースを決めておくとよいでしょう。プライベートでも使っているPCだとどうしても誘惑が多いので、仕事用のPCを別に購入してメリハリをつけることをおすすめします。
プライバシーの問題
自宅兼事務所の場合、ネット上に自宅の住所を載せることになるため、プライバシーに関して不安があります。住所を載せないようにすればよいのですが、職種や業種によっては載せないわけにはいかないケースもあるでしょう。
バーチャルオフィスと契約して住所のみ借りるという手もありますが、取引先がそこで営業していると思って訪問されても困りますし、評判の悪い企業が同じ住所を使っていると自社にも悪影響が及びかねません。
住所の問題は仕事にも関わるので、よく考えておきましょう。
自宅兼事務所スタートで後に事務所を借りるのもアリ
最初は開業費用を抑えるために自宅兼事務所でスタートし、事業の売上が順調に伸びてから事務所を借りるというやり方もあります。初期費用を多く用意できない場合、または事業がうまくいくか不安な場合は自宅兼事務所から始める方が安心です。
必ずしも事務所を構える必要がないのであれば、無理して事務所を借りる必要はありません。従業員を雇用したり取引先との打ち合わせが多くなったりして、事務所が必要となった時に借りればいいのです。
おわりに
Web系の職種の方は在宅ワークをされるケースが多いですね。それ以外だとハウスクリーニングや結婚相談所などの職種も自宅兼事務所で開業できます。
事務所を持つことに憧れを持っている方も多いと思いますが、初期費用を抑えるために自宅兼事務所での開業を考えてみてはいかがでしょう。