飲食店の開業と言えば固定店舗を思い浮かべる方が多いかと思いますが、移動販売車という選択肢もあります。では、店舗と移動販売車はどこが大きく違うのでしょうか？
本記事では、店舗型と移動販売車の違いとメリット・デメリットを解説します。店舗と移動販売車のどちらで開業しようか迷っておられる方はぜひ参考にしてください。
店舗と移動販売車の違い
店舗と移動販売車の大きな違いは、「場所を移動できる」だけではありません。移動に関してはメリットの項目で詳しく解説しますが、店舗と移動販売車は「初期費用」に大きな違いがあります。
店舗のオープンには物件取得費や改装費、設備費、さらには人件費までかかるため、初期費用は決して安くはありません。都心などの一等地などに店舗を構えようと思ったら、軽く1,000万円は超えるでしょう。
一方、移動販売車のオープンに主に必要となるのは車両と設備費で、店舗よりも初期費用を安く抑えられます。物件取得費が不要であるというのは大きな違いです。
移動販売用の車両が最も大きなコストですが、中古車であれば100万円以下のものもありますし、300万円もあればいい移動販売用の車両が買えるでしょう。
移動販売車のメリット
場所を移動して販売できる
冒頭でも少し書きましたが、移動販売車のメリットは「場所を移動できる」という点にあります。人が集まる場所に移動して販売できるというのは店舗にない大きな強みです。
たとえば周辺施設や人の流れが変わった影響で来客数が激減することがありますが、店舗だとその場所でしか営業できないため集客できることは限られてきます。店舗を移転するのにも大きな費用がかかるため、一度そこに店を構えるとそうそう場所を変えられません。
移動販売車の場合、人が集まりやすい場所を狙って移動できるため効率よく集客ができます。
たとえばランチタイムを狙ってオフィス街で販売する、ライブなどのイベントに合わせて販売しに行くといったことができるのが移動販売車です。イベントはいろいろな場所でやっているので、ライバルが少なそうな場所を狙うという戦略もとれます。
オフィス街での販売はおすすめの集客方法です。オフィス街の周辺には飲食店が多いですが、やはり毎日となると飽てきますし、オフィスに持ち帰って食べたい方も多いと思うので、そういった客層を狙うとよいかもしれません。
周辺の飲食店になり目新しいメニューやちょっと変わったメニューなんかがあるとより人が集まりやすくなります。オフィス街も一箇所ではないので、飽きられて集客が落ちてきたら次の場所に移動すればいいわけですから、次の場所を探せばいいという安心感もあります。
初期費用を抑えることでリスクを低くできる
初期費用が増えるほどリスクが高くなっていきます。回収までに時間がかかりますし、集客がうまくいかないと負債だけが残ってしまうかもしれません。
上述したように移動販売車は店舗よりも安い費用で開業できるため、リスクを低くすることができます。
たとえば店舗の開業に1,000万円の初期費用、移動販売車の開業に300万円の初期費用がかかるとしましょう。この例だと700万円という大きな差が出るため、リスクの違いは一目瞭然です。
また、店舗の場合は賃料の値上げや立ち退きのリスクという問題も伴います。賃料が値上げされるとかなりきついですし、再開発で立ち退きを余儀なくされるかもしれません。
そうした点も考えると、移動販売車はリスクが低い開業方法であると言えます。
移動販売車のデメリット
固定客がつきにくい
移動販売車は店舗のように特定の場所で何年も営業することは少ないです。場所を変えながら販売するという営業スタイルであるがゆえ、固定客がつきにくいのが移動販売車のデメリットと言えるでしょう。
店舗の場合は固定客がつけば安定した収入が見込めますが、移動販売車は固定客がつきにくいためどうしても収入に波が生じます。
しかし、移動販売車はそもそもがその時々で人が集まりやすい場所を選ぶという販売スタイルなので、固定客を獲得することはあまり考えなくてよいでしょう。
天候で売れ行きが左右される
移動販売店は外で販売をするため、天候によって売れ行きが大きく左右されます。食べ歩きできるものを販売するとなると、雨の日は客足が遠のき、その日の売上が大きく落ちてしまうでしょう。
店舗なら天候にあまり左右されませんし、むしろ雨宿りで入ってくれるお客さんも期待できます。天候に影響を受けるのは移動販売車の宿命と言えるでしょう。
しかし、最近の天気予報は非常に精度が高くなっているので、予報を見ながら雨が降らない時間帯を狙うという戦略も立てられます。雨雲の移動に合わせて販売場所を移動するという戦略を考えてみてはどうでしょう。
フランチャイズで移動販売車を開業
フランチャイズにも移動販売車があります。独力での開業に自信がない方はフランチャイズに加盟するというのもひとつの方法です。
フランチャイズなら移動販売のノウハウを教えてくれますし、開業後も本部がサポートしてくれるので初めての開業でも安心できます。特に未経験の業種だと分からないことや戸惑うことが多いと思うので、フランチャイズに加盟したほうが成功しやすいでしょう。
おわりに
解説したように移動販売車は初期費用が安く抑えられるため、店舗よりも開業しやすいです。フランチャイズに加盟するという選択肢もありますので、移動販売車で開業したい方はフランチャイズでの開業を検討してみてくださいね。
